2024年1月定例セミナー 「小さな会社の経営の要点」 木村康徳さん

2024年1月のKCG定例セミナー講師は、株式会社大松商会 代表取締役社長の木村康徳(きむら やすのり)さんです。
木村さんは、ゴム加工会社の大松商会の経営の舵をとる一方で、中小企業診断士として経営コンサルタントとしても活躍しています。

今回は、木村さんが経営してきた大松商会がどのような景気の波にさらされてきたのか、
それを乗り越えるためにどのような工夫をしてきたのかについて、語っていただきました。

 

そもそも、小さな会社とは?

中小企業基本法に定められている中小企業では、900人でも中小企業となる場合があります。(ゴム製造業の場合)
900人というと、かなり大きいという印象になるのではないでしょうか。

その中でも、事業規模が小さい事業者を小規模事業者と呼びます。
製造業等では20人以下、それ以外の業種では5人以下が小規模事業者です。

この5年間で、小規模事業者の数や割合は、以下のように減ってきました。
小規模事業者の割合は84.9%→84.5%
中規模事業者の割合は14.8→15.2

国や県などが実施する補助金等の施策は、小規模事業者以外の中規模事業者も含む中小企業が対象となる場合が多いです。
小規模事業者に活躍してほしい一方で、小規模事業者のみを対象とすると社会への効果が限定的となることから、このような形となっているようです。

しかし、小さな会社だからといって、何をやっても大企業に敵わないということはありません。

 

 

以前の大松商会は惨憺たる状況

木村さんは、大学卒業後に銀行に入行しました。
仕事にも慣れた7年目のある日、父親から連絡を受けます。
当時、木村さんの父親は、株式会社大松商会の社長を務めており、跡を継がせるために連絡したのでした。
木村さんは、決算書も見ずに入社を決意します。

しかし、会社の状況を見て愕然。
発注する顧客ごとに、担当する従業員が決まっている状況でした。
製造方法が統一されておらず、情報も個人で把握している有様。
自分の仕事が終わったら、他の従業員が仕事を抱えていてもさっさと帰る、
顧客が工場内に勝手に出入りし、情報漏洩や従業員引き抜きも起こっている、そのような状況でした。

 

経済不況による危機を様々な手法で乗り切る

そのような中で、バブル崩壊による経済不況が大松商会を襲います。
当時は、エンドユーザーからみて大松商会は3次受けの立場でした。
自分たちは営業をしておらず、2次受けの商社頼みで営業している状況です。
バブル崩壊により、2次受けの商社からの注文が減ってくると、2期連続の赤字。
この危機を乗り越えるため、エンドユーザー開拓を行います。
今では当たり前のいわゆる中とばし。当時は御法度でした。
それでも生き残るために、エンドユーザーの工作機械メーカー、生産機械メーカー、食品機器メーカー、設備メーカーにアプローチ。
この開拓には、木村さんの銀行時代の経験が活きました。
ただし、もともと2次受けとして動いていた商社からの注文は激減しました。

何とか乗り切ったのも束の間。今度は平成11年頃の平成不況により、業績が悪化します。
業績も赤字になり、多くの借入を背負い込むことに。
今度は、石川県内のエンドユーザーはある程度顧客になっており、業績が頭打ちになっていました。
そこで、富山県へ進出します。
富山県に子会社として商社を設立し、営業を担当させます。
といっても、この会社は実質木村さん1人の会社。
一人で富山県のエンドメーカーへの営業を行い、何とかこの危機を乗り切りました。
設立から4年後、この子会社を清算しました。

平成22年、今度はリーマンショックが起こります。
このとき、大松商会は過去最大の赤字となりました。
仕事もほとんどなくなり、することがないという状況に。
今度は、これまで取引がなかったコマツへの納入を目指します。
エンドユーザーとの取引を基本姿勢とする大松紹介ですが、
今度ばかりはコマツへの納入実績がある商社へのアプローチにより最終的にコマツへの納入を果たします。
しかし、コマツへ納入しているという実績が、他のメーカーにも知れると、取引先が拡大します。
長野、福井、富山でも顧客が増え、リーマンショックの危機を脱します。

しかし、危機で経営が傾くと借入が大きく増えるような企業体質には、何か問題があるのではないか?と考え、
中小企業
診断士を取るきっかけの一つになりました。

 

 

今後の経営ビジョンは日本一のゴム加工会社

大松商会は、コロナ禍では業績が大きく低下せず、目指している姿に近づいているように考えられます。

しかし、先日起こった能登半島地震で、甚大な被害が出ている地域があります。
このような地震で会社に大きな被害が出たら、事業が続けられなくなるかもしれません。
今後の経営には、BCP(事業継続計画)がさらに重要になってくると言えます。

また、大松商会はゴム加工会社として規模は大きくないかもしれません。
しかし、他の部分に目を向ければ、「北陸一」や「日本一」を目指せます。
そう考えて、木村さんは大松商会を日本一のゴム加工会社にするというビジョンを掲げ、これからも邁進していきます。

 

懇親会

今月も定例会後にセミナーを行いまいた。その一幕を紹介します。

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