2021年12月定例セミナー「バンドマン、コンサルになる」 高稲俊輔さん

12月のKCG定例セミナー講師は、税理士・中小企業診断士として活躍している高稲俊輔(たかいねしゅんすけ)さんです。
高稲さんは経営コンサルタントとして活躍する傍ら、YuruっとオンラインKCG Ver.2のナビゲーターとしても活躍されています。
25歳の若さから中小企業診断士としての活動を始めた高稲さんが、過去・現在・未来について、胡散臭くも熱く語りました。

税理士だけどコンサル業務が中心

高稲さんは中小企業診断士の資格をもち、経営コンサルタントとして活躍しています。その一方で、税理士の資格も持っており、独占業務である「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」を行うことができます。
では、どちらに軸足を置いているか、というと経営コンサルタントです。
「経営戦略の策定・実行のお手伝い」こそがメインであり、税理士としての資格・知識はその実現可能性を高めるための一つのカードと言い切りました。
税理士の独占業務の方が安定的であり、一般的には税理士業務に軸足を置く方が多いようなのですが、高稲さんは逆。
なぜこのようなビジネスモデルで勝負しているのでしょうか。

 

電力会社一家の家系から、バンドマンを経てコンサルタントに至るまで

高稲さんは富山県出身。
祖父が電力会社の役員を務め、父親、叔父も従業員という電力会社一家に生まれました。
幼いころから地元国立大学から電力会社に入社することを嘱望され、半ば洗脳された状態だったのでは?と回顧しています。

しかし、15歳のとき、敷かれたレールに反発し、音楽を始めます。
X JAPANやLUNA SEAに憧れ、髪も染めるなど、見た目も派手になります。
プータロー覚悟でバンドに専念しようとしたものの、父親に「大学だけは行ってくれ」と頼まれ、駒澤大学経営学部に進学。
ここが一つ目の運命の分かれ目でした。

大学進学後もバンドを続け、事務所に所属。デビューできるか、というときに大きな事件が起こりました。
2011年、東日本大震災。
CDリリースやライブなどの自粛が叫ばれる中、音楽業界は苦境に立たされ、事務所の社長が夜逃げ。
高稲さんは、音楽を辞める決断をします。
そんな中で、大学の書店で中小企業診断士のパンフレットに出会います。
それを見た高稲さんは、2つのことを思いました。
「経営戦略や財務の知識があれば、事務所の社長のような人を助けられるのでは?」という大義名分。
「コンサルってモテそう」というある種、不純な動機。
この2つがあったからこそ、頑張ることができた、と。
社会的意義などの大義名分だけではどこかで諦めてしまうし、不純な動機だけでも放棄に近づいてしまうでしょう。

晴れて中小企業診断士となった高稲さんは、早くコンサルとして働きたい、と考えるのでした。

 

コンサルタントとして勝負するために選んだ一点突破

高稲さんは当時25歳。コンサルタントとして働くには、若いと感じる方が多いでしょう。
しかし、この若さを逆手に取った戦略を立てます。
「若さ」は、顧客の期待値を下げる効果があるー
つまり、「若いから多少仕事ができなくても多めに見よう」「ちょっとは手伝ってやろう」と顧客が勝手にハードルをさげてくれる、と。
他にも、鍛えぬいたロジカルな思考や、音楽をやっていた感性を武器にしようと考えました。

この武器を活かすために、3つの戦略を立てました。

  1. ロジカル×感性を生かした関わりしかしない
    フレームワークを使わず、事業コンセプトをとことん重視してつき詰めることをします。
    フレームワークは説明のツールであって、考えるツールではないという考え方です。
    スターバックスコーヒーの「サードプレイス」というコンセプトを磨きぬくという戦略が代表例です。
  2. 専門性で勝負しない
    答えのあるゲームで戦うのではなく、答えのないゲームで勝負します。
    頑張るという差別化ではなく、違うことをするという差別化を狙っていきます。
    フェルミ推定などの武器を徹底的に磨くことで、目の付け所やプロセスの美しさを武器にします。
  3. 「数値」や「事実」の分析で勝負しない
    炎上覚悟でエッジのきいた示唆のある発言をぶつけていきます。
    カチンときたときの発言にこそ重要な課題が隠れているのではないでしょうか。
    数値や事実は相手も知っていることが多く、コンサルがこれを語っても意味がないと考えています。

 

もういちど事業コンセプトに立ち返って

天才を殺す凡人」で、天才は誰にも理解されないが故に凡人から排除される、という意見にふれた高稲さん。
まさに排除されそうな天才や、誰にも理解されない人に、「自分の人生」を取り戻すためのお手伝いがしたい。
高稲さんも、電力会社に入るというレールを拒否し、コンサルという自分の道を探し出し、自ら道を切り開いてきました。
そんな選択をする人をサポートしたい。
「誰かのために生きる人生」を辞めたい人に「『自分の人生』を取り戻すお手伝い」をする、そのコンセプトの実現のためにあらゆる手段を使ってアプローチしていく。
これからの高稲さんから目が離せません。

 

今回講師の高稲俊輔さんと東野奈津恵さんがナビゲーターを務めるYuruっとオンラインKCG Ver.2にも注目です。
KCG-TV(カナザワ・コンサルティング・グループTV)

 

今回も懇親会はありませんでしたが、セミナー後に会場内で参加者同士の交流が行われていました。

 

次回1月度セミナーの後は、いよいよ懇親会を行う予定です。
注目の新年1回目、1月度セミナーは1月28日(金)に行います。

1月度はコロナ感染者急拡大のため中止、

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