2023年7月定例セミナー 「目的を明確にすることから始めよう」 鈴木智久さん

2023年7月のKCG定例セミナー講師は、鈴木智久さんです。
鈴木さんは、中小企業診断士としてベンチャー&マネジメントの代表としてコンサルタントを務めるだけでなく、
北陸成型工業株式会社の代表取締役として、中小企業経営者として活躍しています。

今回はコンサルタント兼経営者という二足の草鞋を履くことになった経緯や、そこに至るまでの心持ちの変化を語っていただきました。

 

目指すは「メンバー1人1人が自分自身と組織全体の成長を目指す会社を作る」

経営者、そしてコンサルタントとして目指しているのは、メンバー1人1人が自分自身と組織全体の成長を目指す会社を作る、ということです。
ここのメンバーの目標と組織の目的が合致していることで、成長は加速的になるという信念があるからです。

そもそも、「目的」とはなんでしょうか。
ザ・コーチ – 最高の自分に出会える『目標の達人ノート』によると、
目的とは、成し遂げようと目指す事柄で、数値化しにくいことも特徴です。
ゴールとは、目的のための最終的な目印です。
目標とは、目的を達成するために設けた目当てのことで、成果目標と行動目標に大別されます。

具体例でいうと、
目的 「誰よりも早く走って風になる」
ゴール 「オリンピックで金メダルを取る」
成果目標 「10キロのタイムを3ヶ月であと3分短縮する」
行動目標 「今月、合計500キロを走り込む」
といった具合です。

これらの大元となる目的が、個人と組織で合致していなければ、その達成のスピードは遅くなってしまうでしょう。

 

個人と組織の目的が一致せずに苦しんできた銀行員時代

鈴木さんのキャリアは銀行員から始まりました。
しかし、そのスタートは順風満帆とは言えないものでした。
同じエリアの同期2人が昇進した時に自分は昇進できず、出世レースの最初の関門で脱落したと感じたり、
営業をしなければならない意義が見出せず、成績が上がらなかったり、
営業先の業況悪化
この時、個人と組織の目的が一致しないときのもどかしさを実体験したのでした。

そんな中でも、中小企業診断士の資格を取得したり、取引先の株式公開支援実務を経験するなど、
自己成長感や達成感などを感じることもありました。

 

成長意欲が旺盛な世界で活動できるベンチャーキャピタル

鈴木さんは、銀行から転職してベンチャーキャピタルに転職します。
世の中にインパクトを与える高揚感がありました。
このとき、初めて金沢に居を移します。

ベンチャーキャピタルの審査視点は、銀行とは大きく異なりました。
どのような視点かというと、次のような項目が挙げられます。

  • マーケットの大きさ(成長可能性の規模)
  • 成長のスピード
  • ビジネスモデル(マネタイズ、持続可能性)
  • マネジメント(チーム)

特に重要なポイントとして、出資すべきなのは、A級の経営者か?A級の商材・サービスか?ということがあります。
ベンチャーキャピタルとしては、A級の経営者に投資することが多いようです。
というのも、A級の経営者はB級の商材をA級の商材にするからです。

成功するベンチャーというのは、会社の目的が皆の共感を得ていることが多いです。
社内外で応援者を得られるのか?ということが成否を占う重要な要素なのです。

 

地道な企業の支援者としての経営コンサルタント

ベンチャーキャピタルに勤めた後、中小企業診断士の資格を活かして独立開業しました。
シリコンバレーのような大きな変革を目指すような企業よりも、地道にがんばる企業の支援者でありたい、というビジョンを掲げます。

初期の顧問先は3社。
ところが、そのうちの1社の経営者が突然亡くなり、鈴木さん自身が事業継承をするということになりました。
経営者と支援者という二足の草鞋を履くことになります。

 

経営者としての目的

事業を承継したとき、会社の状況は「棟梁のもとに弟子や使用人が集まっている」という状況でした。
自分の領域から出ない古参と、目標を持てない若手。
組織として力を発揮できる働き方をしておらず、会社・仕事と自分の人生が重なっていない…

そこで取り組んだことは

  • 途中になっていた開発プロジェクトを完遂させる
  • 周りを巻き込んだ責任として、応援してくれる人に応える責任がある
  • 自分の理想とする会社を作っていきたい

とくに、自分の理想とする会社として、メンバー1人1人が自分自身と組織全体の成長を目指す会社、を掲げています。
毎朝の朝礼や週1回のミーティング、情報共有・能動的に考えるチームづくりを重視し、
採算実績の共有・理解ができる組織になってきています。

そして、成果は少しずつ現れてきています。
例えば、バーコード管理の導入などです。自社内での手作りですが、必要なものを作ることができました。

これからも「メンバー1人1人が自分自身と組織全体の成長を目指す会社を作る」という理想に向けて、進んでいきます。

 

目的を明確にすることから始めよう

鈴木さんが提言したいことは、次の3つ。

  • 目的を明確にするって結構大事
  • 目標は目的と関連づけて設定する
  • 成果目標と行動目標を設定する

KCGは成長を目指す仲間の集まりであり続けましょう!

 

懇親会

7月度も定例会のあとに、懇親会を開催しました。 その様子をご紹介します。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2024年3月のKCG定例セミナー講師は、中小企業診断士の松田康宏(まつだ やすひろ)さんです。…
  2. 2024年2月のKCG定例セミナー講師は、株式会社IPアドバイザリー 代表取締役の宮崎幸奈(みやざき…
  3. 2024年1月のKCG定例セミナー講師は、株式会社大松商会 代表取締役社長の木村康徳(きむら やすの…
PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。