2021年11月定例セミナー「どんな困難も日本人力で乗り越えられる」 加野房枝さん

11月のKCG定例セミナー講師は、彌榮家(いやさかや)の加野房枝(かのふさえ)さんです。
加野さんはマナー講師を主としながらも、保育士や自身の闘病体験を語る講師としても活動し、幅広い活躍をされています。
今回のセミナーでは、ご自身の体験と「日本人力」について熱く語っていただきました。

彌榮家に込めた願いは、互いに輝くための伴走者

加野さんは「彌(どこまでも)榮(さかえる)家(いえ)」という願いを込めて、彌榮家と名付けたそうです。
行っている事業は、主に以下の3つ。

  • 日本のこころを伝えるマナー&サービス講師
    最近では、オンライン上でのレッスンも行っています。
  • 保育士(子育てサポーター)
    いしかわ結婚子育て支援財団のサポート事業や、学童の支援を行っています。
  • 元気を広める乳がんサバイバー
    乳がん経験者でもいろいろな活動ができる、ということを広めています

一見関わりがない事業のように見えますが、お互いが輝くための伴走者としての事業、そして学び合いという共通点を持っています。
しかし、加野さんは何故このような多彩な事業を行っているのでしょうか。

 

イギリス留学経験で感じた日本人としてのあり方

加野さんは、金沢市出身・金沢市在住。
このプロフィールだけ見ると平凡に見えますが、現在に至るまでには紆余曲折がありました。

北陸学院高校の英語科卒の加野さんは、高校時代にイギリス留学を経験しました。
それもロンドンのような大都市ではなく、バース。(余談ですが、Bath:風呂の語源となった都市らしいです。)
そこで経験した大きなショックは、自分の住む日本や金沢についての質問にほとんど答えられなかったこと。
留学を終えた加野さんは「世界を知るには、まず日本を学ばなければ」と強く感じました。

進学先として選んだのは、国文学科。
高校で深く学んだ英語ではなく、日本を深く知るための選択でした。
そのために、母親や先生へのプレゼンに臨んだそうです。

大学卒業後は学習塾の講師・教室長としてキャリアを積みます。
しかし、学習塾は学校が終わった後の夜がメインの仕事時間。
体にも負担がかかってしまいました。

そこで、昼にできる仕事を始めてしばらくしたある日、乳がんが発覚します。

 

乳がん闘病生活を経て「好きなことを全部してやろう!」と決めた

加野さんが罹患した乳がんは、女性ホルモンが原因ではない、原因不明のがん。
幸いにも転移はなかったものの、長い闘病生活が始まります。
外科手術による摘出、抗がん剤治療、放射線治療、…
なかなか思うように動けない日々が続く中で、思ったことがありました。

「それでも生きている」

生きているのだから、好きなことを全部してやろうと決めたそうです。
様々な職業、働き方、資格取得、などなど。
経験した職業は、在宅校正者、美術館職員、児童指導員・保育補助、大学職員、など極めてさまざま。
取得した資格は、保育士をはじめ、秘書技能検定、電話応対技能検定、日商簿記検定、…など多岐にわたります。

そして、考え方も大きく変化していきました。

  • がんになったのが、家族の他の人ではなく私で良かった。
  • 究極のデトックスになった。(悪いものが出ていった)
  • 死ぬこと以外はかすり傷

「がんは生き方を変えるチャンス。好きなことをして生きていく」と加野さんは力強く語ります。

 

日本人力があれば乗り越えられる。

とはいえ、そんな簡単にそう思えるものなのでしょうか。
その源になるのは「日本人力」だと加野さんは言います。

日本人はもともと八百万(やおよろず)の神々を信じていました。
現在は神道と呼ばれていますが、日本人の習慣・風習に根付いたものです。

  • 何でも神様に報連相することで、究極のセルフカウンセリングを行う
  • 最強ワード「ありがとう」の連呼
  • 他者との違いと認め合う

このような習慣・価値観が、日本人にはもともと根付いていました。
インクルージョン、ダイバーシティ、バリアフリー、ユニバーサルデザイン、といったものは日本人に備わっていたものなのです。

その中でマナーとは、他人と認め合い、お互いが気持ちよく過ごすための礼儀作法だと加野さんは語ります。

これらの価値観の根源となるのが、日本の神話です。
この神話は古事記や日本書紀に書かれており、皇室と深いつながりがあります。

さて、自分の100代前の先祖は何人居るでしょう。
1代前(父母)は2人、2代前(祖父母)は4人、3代前(曾祖父母)は8人、…とすると、
100代前は、126穣76506002垓2822京9401兆4967億0320万5376人も居ます。
これだけの人数がいれば、誰かは神話に出てくる神との繋がりがある人かもしれません。

日本を知ると誇りを持てる。
加野さんは日本人力を広めるため、今日も頑張っています。

 

今回も懇親会はありませんでしたが、セミナー後に参加者同士の交流が行われていました。

次回KCG定例セミナーは、12/17(金) 高稲俊輔が講師です。
元バンドマンの中小企業診断士・税理士として活躍していらっしゃいます。
ご期待ください。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2024年12月のKCG定例セミナー講師は、浜田紙業株式会社で専務取締役を務めている浜田浩史(はまだ…
  2. 2024年11月のKCG定例セミナー講師は、中佐経営診断事務所 代表を務める中小企業診断士の中佐訓康…
  3. 2024年10月のKCG定例セミナー講師は、株式会社金森合金の高下 裕子(こうげ ひろこ)さんです。…
PAGE TOP