2023年8月のKCG定例セミナー講師は、中佐訓康さんです。
中佐さんは、石川県中小企業診断士会の専務理事として活躍するだけでなく、
自身もコンサルタントとして活躍されています。
今回は、忙しい中でも美術展に積極的に通う理由を語っていただきました。
支援がうまくいかないのは経営者や会社の意識を変えられないから
中佐さんのコンサルタントとしての実績の一つとして、不正発見があります。
具体的な事例として、飲食業や運送業がありました。
飲食業の事例を紹介します。
複数の飲食店を経営する事業者で、ある店舗の粗利率が悪化しているということが起こっていました。
調査として、事前にプライベートでその店舗を訪れ、味や雰囲気などを確認します。
後日、聞き取りや帳簿を確認したところ、事前確認の際の売上が抜かれていた、ということが起こっていました。
この事例では、売上・金銭に対してルーズな経営者、会社であったことが原因となって最終的に廃業。
経営者や会社の意識を変えるまでには至らず、支援がうまくいかないという歯がゆい経験となりました。
なぜ支援がうまくいかないのでしょうか?
「数値は必ずしも関係者にとっての共通言語ではない」ということです。
確かに、支援機関や金融機関にとっては共通言語となっています。
ところが、経営者はそれを理解できず、置いてけぼりに。
その結果、支援機関や金融機関がいる場で、経営者は納得したようなそぶりを見せます。
にも関わらず、その後の経営者の態度や行動が変わらない、ということが起こるのです。
では、どうすれば経営者の行動を変えることができるのか?
そのためには、自分の行動をまず変える必要があるのではないか?、と中佐さんは考えました。
論理的思考にとらわれすぎると支援がうまくいかない
中佐さん自身は、理論を構築して数字を読むことに強みがあります。
しかし、その理論だけでは人が動かないというのも同時に感じることでした。
人間は感情の動物。そのことを忘れていては、せっかくの理論も腹落ちせず、実行に移されません。
意識して完成のスイッチを入れる。
普段、理論でガチガチになっている自分自身をときほぐすためには、これが必要だと中佐さんは感じているそうです。
そのために、美術館に出かけて感性を刺激し、理論一辺倒にならないように意識しています。
中佐さんがよく行く美術館は、次のような場所が多いとのことです。
-
国立新美術館
-
上野周辺の美術館(国立西洋美術館、上野の森美術館、東京都美術館)
-
川本喜八郎人形美術館
-
奥田元宋・小由女美術館
機会があれば、是非訪れてみてください。
アート・工芸関連事業の相談が増加
中佐さんが美術館に出かけることで、アート・工芸関連分野の仕事も増えてきたそうです。
例えば、次のような分野・事業です。
-
九谷焼作家
-
染色
-
ガラス工芸
-
手工芸
-
アートディレクター
代表的な支援先として、早助千晴さん や 岩井美佳さんが居ます。
中佐さんは、自身の感性を高めることが美術展に通うきっかけになりました。
その感性を高めることで、新たなコンサルタントとしての強みを発揮しています。
また、その支援を通じて芸術・アートが豊かな社会へ貢献しています。
懇親会
8月度もセミナー後に懇親会を行いました。その様子を紹介します。
この記事へのコメントはありません。