8月のKCG定例セミナー講師は、株式会社ブリング・グロース代表取締役の高川景嗣(たかがわけいじ)さんです。
ブリング・グロースでは社内教育を事業としています。
単なる研修だけではなく現場指導や環境改善など、徹底的なフォローを行っています。
働く人みんながイキイキと働けるように日々活動に邁進しています。
今回は、「レジリエンス力」という聞きなれない力について、お話いただきました。
レジリエンス力とは
レジリエンス力とは、ストレスを跳ね返したり、そこから復活したりする力のこと。
一般的に以下のような日本語で翻訳されます。
- 復活力
- 耐久力
- 適応力
以前に世間で話題になったこともあります。
それは、ラグビーワールドカップ2015年イングランド大会で、日本代表が強豪・南アフリカ代表に勝利し「スポーツ史上最大の番狂わせ」と呼ばれたときのことです。
このときの日本代表のチームスローガンが「レジリエンス」。
レジリエンス力があれば、未来を大きく変えられます。
思考の罠を知る
人間はストレスを受けると、隠ぺいや嘘などあまりいいとは言えない行動をとってしまいます。
感情が理性を上回った時にそのような行動になってしまいます。
良くない行動に至るのは、逆境(Adversity)→思い込み(Belief)→感情(Consequence)→行動(Do)というプロセス。
このプロセスをどこかで止める必要があります。
まずは逆境。
自分はどんなことを逆境と捉えるのでしょうか。
自分が逆境と思うことでも、他の人はそうは思わないかも知れません。その逆もまた然り。
自分を内省し、他の人と話をしてみることで見えてくるかもしれません。
そして、思い込み。
早とちり、トンネル視、個人化(自責)、外面化(他責)が陥りやすい落とし穴です。
早とちりの例は、以下のようなものがあります。
怒りっぽいお客様から「気づいたら早く電話をくれ」というメールが入っていたらすぐに電話するでしょうか。
「何かしてしまったかもしれない…」と、いろいろ確認してから電話する人もいるのではないでしょうか。
この、「何かしてしまったかもしれない…」というのが早とちりです。
なぜこのような思い込みが起こるのでしょうか。
感情や行動の裏側である思い込みの部分は非常に見えにくく、まるで氷山の海に沈んでいる部分のよう。
育った環境、体験・経験、受けた教育や先天的な思考などに大きく左右されています。
ある意味、自分自身ともいえる部分です。
レジリエンス強化法
レジリエンス力を鍛えるにはどうすればよいのでしょうか。
その最大のポイントが「事実と感情の切り分け」です。
逆境(Adversity)→思い込み(Belief)→感情(Consequence)→行動(Do)というプロセスの中で、
感情の前でプロセスを断ち切ってしまう、ということです。
例えば、不安という感情に囚われてしまうことがあります。
しかし、不安に陥っても状況(過去)が何か変わるわけではありません。
むしろ不安に囚われている中で、行動の選択肢が狭まってしまい、良くない状況が続いてしまいやすくなります。
まずい状況が起きているという「事実」と、不安という「感情」を切り分けて、事実に向き合い問題を解決していくのです。
事実と感情を切り分けるには、自分の「客観視」ということを意識するのが一つです。
なぜ、現代ではレジリエンス力が必要とされるのか。
その一つの要因として「機械に囲まれた生活」があります。
昔は「自然に囲まれた生活」が普通であり、自分の思い通りにならないことの方がほとんどでした。
しかし、「機械に囲まれた生活」では大概のことは自分でコントロールができます。
そのため、想定外のことが起こりにくく、想定外のことが起こると感情が出やすくなってしまうのです。
レジリエンス力を鍛え、実現したい未来へ進んでいきましょう。
なお、例会ではもっと具体的な例や詳細な解説もお話しいただいています。
毎回ブログの内容で満足できない方は、ぜひKCG例会へどうぞ!
次回9月は、吉永晃一さん「金沢市の森林・林業の今とこれから」。
9月16日(金)18時30分~ 近江町交流プラザ4階
奮ってご参加ください!
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